また、研究発表部門で以下のとおり、教員2名が口頭発表を行いました。
「多読授業受講者のナラティヴを探求する」 深谷 素子
「他者を想うことで自己を知る―多文化・異文化理解教育の実践」草薙 優加
草薙 優加記
2022年度深谷素子卒業研究ゼミの4年生、坂井りりあさんと横山諒さんの2名が、JAILA(日本国際教養学会)第11回全国大会のポスターセッション(2023年2月18日、同志社大学)にて、卒業研究小論文の内容をポスターにまとめ発表しました。
また、研究発表部門で以下のとおり、教員2名が口頭発表を行いました。 「多読授業受講者のナラティヴを探求する」 深谷 素子 「他者を想うことで自己を知る―多文化・異文化理解教育の実践」草薙 優加 草薙 優加記
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鶴見大学POPコンテスト2022の入賞作品が、そごう横浜店7階の紀伊國屋書店にて展示されました。 英語英米文学科の学生さんの作品が、実際の書店でPOPとして活躍しています。 POPコンテストは来年度も開催予定ですので、次回は皆さんも応募してみてはいかがでしょうか。 鶴見大学文学部 異文化理解・異文化交流 公開講座 報告 「二つの文化を生きる幸せ」 ベトナム語通訳・翻訳者 宇野 恵美氏 紅葉たけなわの2022年11月30日(水)1時限に行われた第2回目の公開講座について報告します。「英語コミュニケーション概論B」の授業で、ベトナム語通訳・翻訳者の宇野恵美さんをお迎えししました。第1回公開講座では、難民支援施設 アルペなんみんセンターの漆原比呂志さんから、難民を取り巻く状況に関するデータやエピソードを紹介していただき、日本に滞在する難民の生活や支援者と支援の在り方について学ぶ機会を得ました。第2回目は、宇野さんに元難民の立場から、ベトナムから来日後の生活、その経験から得た想いを率直に深く語っていただきました。講演後には、会場で直接、質問や感想に対応頂くだけでなく、特別に開設したチャットルームにて引き続き質問に答えてくださいました。講演のみならず、学生との交流に時間を割いてくださった宇野さんに心より感謝申し上げます。 以下に講師プロフィール、受講生の声を掲載します。 (草薙 優加記) 講師プロフィール 1歳半の時に両親とともに祖国ベトナムを脱出し、日本に難民として定住する。大学生の時に帰化して日本国籍に。自分と同じ難民を支援する団体で働いたのち、フリーランスの通訳・翻訳者に転身。主に捜査機関における司法通訳に従事する。大学卒業後にアメリカ留学を経験。令和元年度 鶴見大学文学部の本公開講座「身近な異文化と自身のアイデンティティ」で講師を担当。 受講生の声 私は宇野さんの公開講座に参加し、多面的に物事を見ることの大切さを学びました。宇野さんのお父様の過酷な経験の話を聞いて、私は胸が苦しくなりましたが、そのような大変な境遇の中でも、宇野さんのお父様は子ども(宇野さん)により良い生活や環境を用意してあげようと必死に行動したと聞き、とても感動しました。 戦争や政権の影響で苦しい生活から脱するために、命をかけてボートピープルとして別の国を目指した話は、私には現実離れした、まるで映画の中の出来事のように思えましたが、それを実際に体験した方から直接聞いたことで、これはフィクションや噂ではなく、私たちが向き合わなければならない歴史や問題なのだと実感しました。 無事に日本に着いてからも、様々な問題に直面したと知り、大変驚きました。なかなか難民について理解してもらえず、周りからの偏見や自由のない生活に苦しめられた宇野さんたちは、文句を言ってもよいはずなのに謙虚なふるまいで日本語、日本文化と慣習を学ぶ努力を怠らないよう心掛けていたと知りました。その後、外務省の難民受け入れプログラムを通して大学に進学した宇野さんは留学を目指すものの、今度はパスポート取得や国籍という大きな問題に直面し、なかなか留学できなかったそうです。時間がかかっても、折れない強い心をもって、留学への道を手にした宇野さんは、アメリカ留学を経て、アメリカの文化について学びました。こうして、ベトナム、日本、アメリカを知った宇野さんが最後に、「様々な文化があるが、すべてを受け入れるのではなく、自分が良いと思って取り入れたいものだけを取り入れる」と言っていたのが印象に残りました。 どんなにつらい境遇でも多面的な考え方を持って相手を理解し、粘り強く耐え、最終的には周りに流されずたくさんの知識や文化から選択できるように、自分の考えを強く持つことが大切だと学びました。 英語英米文学科3年生 高島 琉花 本講義では、難民の方が祖国をどのように想っているのか、日本に移り住んだ後の経験、難民の方ならではの苦労など、初めて知ることが非常に多く、とても良い勉強の機会になりました。特に驚きを感じた話は、難民の方々は帰化するまでは結婚や海外渡航などといった「普通」の暮らしを送ることさえ、様々な問題に直面してしまうということでした。難民の方々は国籍を失ってしまうために大使館からのサポートを受けられず、また、役所へ自分が難民であると説明をする際にも、日本語で伝える力や通訳との繋がりがなければ、大使館へ行くように促されてしまい板挟みの状況になってしまうという事を聞き、あらためて「言葉」で相手に伝えることの難しさと大切さを感じました。宇野さんのような通訳の仕事が難民を含む多くの外国人にとって、どれほどの助けになっているのかを考えることができました。 宇野さんのお話は私にとって衝撃的なものが多かったのですが、なかには共感を覚える話もありました。それは、宇野さんのご家族が日本に移った後も積極的にベトナムの文化を取り入れ続けていらっしゃったことです。私にもタイ出身の母がおり、我が家でも言語や食事、伝統行事など、様々な事柄において2つの文化が混じり合っているため、家の外に出たら日本文化、家に帰ればベトナム文化という、宇野さんが生きてきた環境を容易に想像できました。また、宇野さんのお父様が、いつかは恵美さんをベトナムに連れて行きたい、とよく言っていたというお話からは、祖国を離れたといえども、お父様が祖国を愛し続けていたこと、そして、どちらか一方の文化を生きるのではなく、2つの文化を生きることをあえて選択されたということは、両方の文化を大切に想っているからこそできることだと感じました。 本講義は、私にとって初めて学ぶことが多い刺激的な講義となっただけでなく、今ある環境と家族を今後もずっと大切にしていきたいと思わせ、国境を越えることなく2つの文化を同時に生きることは、とても幸福なことだと考えさせられた講義となりました。 英語英米文学科3年生 三村 亜希 本講義では、ベトナムの1970年代の歴史背景をより詳しく学習できただけでなく、難民生活を送った方々の貴重な経験も伺うことができ、非常に良い学びになりました。私も10 歳の時に家族と一緒に日本に移住しました。父も昔、難民の1人として宇野さんのご家族が経験したことと同じような経験をしました。私も父から難民についての話を聞いたことがあったため、宇野さんのお話には共感できる部分がとても多く、時々自分の親を思い浮かべ、涙が込み上げてきました。宇野さんの話のなかでも、特にボートで海を彷徨う最中に死を覚悟しながら助けを待つ話が印象的でした。難民経験がある方だからこそ、当時起きた出来事がどれほど辛いのかを実感し、それを伝えることができるのだと思います。 1970年代にベトナムが南北分離をし、現在のベトナムでは政府が社会主義に変わったことを、「南北の統一」として、喜びと捉える人も多く存在しています。それに伴い、南側の住民の中は弾圧を受けた人も多くいますが、教育の場をはじめ、国を捨てて難民生活を送った人々の話に触れる場や機会が少なくなってしまっているのだと思います。 私はたとえどのような歴史背景があっても、それを後の世代に伝えることによって、異なる立場の人々も互いに理解を深めることが出来ると考えます。その努力が重要なのです。私も将来、この講義で学んだ事や父から教わった事を思い出し、次の世代にきちんと父の母国が辿ってきた歴史的背景を伝え、家族の母国語であるベトナム語に触れる機会を与え、多文化や多言語使用の意義を意識したいと考えています。 英語英米文学科3年生 山本 ナオミ
2022 English Reader Marathon Winners List
Chika Sakamoto - 1st Prize; about 179,000 words read! Hiryu Sasaki - 2nd Prize Mizuki Sakamoto - 3rd Prize Yui Hoshino - 4th Prize Suzuse Inoue - 5th Prize Koto Chida - 6th Prize Misaki Kikuchi - 7th Prize 2022 Freshman Division Mayuka Shibata - 1st Prize; over 67,000 words read! Ryuji Nagashima - 2nd Prize Narumi Onozuka - 3rd Prize Mimi Suzuki - 4th Prize Sho Kihara - 5th Prize Honorable Mention Ayaka Suzuki Sota Takeda Sijan KC Hana Takayama 鶴見大学文学部 異文化理解・異文化交流 公開講座 報告 「難民の友に、難民と共に~難民を歓迎できる社会に」 NPO法人アルペなんみんセンター 地域連携コーディネーター 漆原 比呂志氏 2022年10月26日(水)1時限「英語コミュニケーション概論B」授業で、アルペなんみんセンターで難民の生活支援をしている漆原比呂志さんをお迎えし、今年度第1回目の公開講座を開催しました。この施設は、2020年にイエズス会の故アルペ神父の名前を冠して自然豊かな鎌倉の地に開所され、世界の諸地域から来日した言語、文化、宗教が異なる人々約30名を受け入れています。その人道的活動により、2022年11月には神奈川県弁護士会人権賞を受賞しました。本講座では、まず難民の定義、国内外での難民の置かれた状況の説明を受けました。さらに、アルペなんみんセンター設立の背景、理念、支援の実際について話を伺いました。難民と聞くと、普段の生活で難民の方々と直接に接したことがない私たちにはニュースで耳にする少し遠い存在と感じがちですが、漆原さんから入居者と市民がセンターの畑で共に野菜を育て、収穫物を使ったお国自慢の料理を互いにふるまいあうこと、日本語教室や日本文化の体験が提供されていることなど、立場の違いを超えて市民と難民の人々が「地域のお隣さん」として交流していることを知ることが出来ました。多くの受講生がセンターのオープンデーに参加してみたい、入居者の方々と交流してみたいと感じたようです。貴重な機会を与えてくださった漆原さんに感謝申し上げます。以下に受講生の声を掲載します。 草薙 優加(記) この講座を受けて知らない世界を知ることが出来ました。難民の方々の中には、自分が難民になると思っていなかったという方もいます。ですので、普段目にしなくても、そういった国があることを知っておき、考えることが大切だと認識しました。難民についても、普段あまり彼らのことを考える人は少ないことでしょう。また、日本に難民を支援する場所があることを知らない人も多いと思います。アルペなんみんセンターでは、難民同士で助け合い生活している人がいることを知りました。そこでは、異なる国から来た人同士が楽しそうにコミュニケーションを取り合ったり、退所する時には別れを惜しんで涙を流し合うと伺い、大変驚きました。異なる言語を使う人同士がことばの壁を越えてコミュニケーションを取ることができるのだ、という発見から、言語を学ぶことも大切ですが、それ以前に言語以外の手段によるコミュニケーション、さらに、言語を超えた心の交流が大切だということを改めて感じました。 英語英米文学科1年生 渡邉 珠里愛
POPコンテストの投票が始まりました。 図書館ゲート内で、外部審査員による最終選考に残った作品が展示されています。 今年は、文学部4学科、歯学部、付属中高からの応募作品が最終選考に残りました。 最終選考に残った作品の中から、皆さんの投票数によって最終順位が決定します。 さて、どのPOPが金銀銅賞に輝くでしょうか。 ぜひ図書館に足を運んで投票に参加してください。 英語コミュニケーション概論B 2022 「異文化ワークショップ」byオーハシヨースケ氏 報告記 2022年10月19日(水)の授業では昨年に引き続き、応用演劇教育家・身体詩パフォーマーのオーハシヨースケ氏をファシリテーターにお迎えし、「異文化ワークショップ―二宮尊徳に学ぶ日本人のこころざし」を行いました。異文化を語る際に自文化を理解することは、異文化を学ぶ出発点として欠かせません。本ワークショップでは、明治時代に内村鑑三が日本人の精神性を論じて西洋に発信した著作、『代表的日本人』第3章「二宮尊徳」を題材に「価値観の違い」を取り上げました。小田原出身の二宮尊徳の生き方から、日本人の心の根底にある価値観や考え方と西洋の価値観と考え方を比較するミニレクチャーや、誰でも簡単に取り組める歩行をベースにした身体活動を通して、本テーマを身体的かつ省察的に学ぶことができました。ワークショップ終了後、オーハシさんには全受講生のメッセージをお送りしました。以下にオーハシさんと受講生の声を掲載します。 草薙優加(記) 学生さんが私の異文化ワークショップ(内村鑑三著:英文の『代表的日本人』第3章「二宮尊徳」をテーマ)に多様な切り口のフィードバックをしてくれたことに驚いています。ある学生は二宮尊徳の偉業に感心し、ある学生はワークショップの中での「自己を振り返る身体ワーク=EMBODIMENT」に関心を示し、またある学生はワークショップという他人との身体的関りを含む学習方法を面白がりと、私の異文化ワークショップは、その構造のなかにコンテンツ、スタイル、コアといった多様な要素を含んでいるのだと思います。ワークショップ最中は不慣れな状況に少し面食らった様子でもありましたがこうやってフィードバックを読むと、人それぞれ多様な受け止め方をしてくれており、大変嬉しく思っています。外から異文化を見る眼で、日本文化を再認識し自己や自文化への「気づき」と「学び」を深める一助となればと意図しました。この場を提供していただいた草薙優加先生と鶴見大学に心から御礼を申し上げます。またぜひ、次のテーマ(コンテンツ)のアプライドドラマ(応用演劇)で学生さんに出会えましたら、この上ない幸いです。 応用演劇教育家・身体詩パフォーマー オーハシヨースケ 私はオーハシさんの異文化ワークショップに参加したことで、異文化理解を深めるだけでなく、コミュニケーション能力を高めることができました。本ワークショップで、自分を含む日本人の特徴である内気な性格と英語圏の人々の特徴である外交的な性格の違いを考えることで、その背景にある文化の違いや授業で学んだ価値観、ステレオタイプ、カルチャーショック等との関連性も考えながら受講することができ、異文化理解を深めることができました。 今回は、通常の講義を受けるときの環境と異なり、机をなくし椅子のみを集めて講義を聞くことで、オーハシさんや級友との距離が縮まり、コミュニケーションにおける環境の影響を考えるきっかけになりました。オーハシさんが体全体を使って説明してくださったり、自分が実際に動いたりしたことでより、ワークショップでの問いを受け取りやすい講義になりました。 このワークショップで取り上げた二宮尊徳からは、私利私欲に走らず社会に貢献することで、自分の行いがいずれは自身にも還元されることを学びました。 二宮尊徳やオーハシさんの考え方と生き方から学ぶことは多く、自分自身の考え方の幅を広げることができました。今後の生活に活かしたいと思います。 英語英米文学科2年生 金子 結衣 今回、オーハシヨースケさんのワークショップに参加して、身体を使って自分を表現することの楽しさを感じることができました。オーハシさんのワークショップでは、講議式の授業のように机に向かって座るのではなく、椅子を円形に並べてお互いの顔が見えるように座りました。また、座って話を聞くだけでなく、実際に立って動いたり、ペアになって話し合う活動を行いました。 最初はペアになって、「自分が最近感じた楽しかったことや嬉しかったこと」を交互に言い、次に、自分の性格はどういうタイプなのかを考えて、似たような性格の人を探し出しました。このエクササイズを行ったことで、自分の性格の良いところと、改善すべきことを認識することで自分を変えられることを知りました。私は、自分から人に話しかけたり、表現することが苦手なので、初めは小さい声しか出せなかったり、動きも小さくなりがちでしたが、エクササイズ中、話しているうちに自分から話しかけられるようになったり、自然と動けるようになっていきました。このエクササイズを通して、楽しくポジティブな発言をすると、自然と笑顔になれることを実感することができました。普段、ネガティブな気持ちになることもあるでしょうが、見方を変えて人や物事の良いところを見つけることで前向きな気持ちになれると感じました。 私は普段、人の意見や話を聞くことが多いのですが、自信をもってそれを長所としたいと思います。一方で、自分のことを言葉と身体を使って積極的に表現することが、今後私が伸ばしてゆくべき点だと発見しました。今回、自分を見つめなおし多くのことを学ぶことができ、充実した時間となりました。 ありがとうございました。 英語英米文学科1年生 髙山華奈 参考図書 内村鑑三(著)稲盛和夫(監訳)(2002)『(対訳)代表的日本人 Representative Men of Japan』講談社 オーハシヨースケ (2018)『二宮尊徳に学ぶ天命の見つけ方』到知出版社 ※ 本ワークショップは、科研費 基盤研究 (c )「多文化共生を促す英語ドラマ・ワークショップ手法の確立と普及」20K02798(研究代表者 塩沢泰子、研究分担者 草薙優加 齋藤安以子)の助成を受けています。 高校生・受験生向け「大学で究める学問発見サイト 夢ナビ」というサイトに深谷素子先生の講義動画が公開されました。テーマはスバリ「英語多読」とその研究についてです。 ハイライト動画(5分)はこちら。 https://yumenavi.info/vue/lecture.html?GNKCD=g012463# 本編(25分)はこちら。英語多読について復習したい方は必見です。 https://douga.yumenavi.info/Lecture/PublishDetail/2022001974?back= 10月25日まで視聴可能です。 ぜひご覧ください。 |
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