異文化理解・交流オンライン講座 報告記
「インド英語と異文化コミュニケーション」
五十嵐 淳子氏(ヒューマングローバルコミュニケーションズ株式会社 講師)
2021年10月20日(水)に五十嵐 淳子先生をお招きし、表題のオンライン公開講座が開催されました。広く世界で英語が使われるようになり、国際語としての英語 (World Englishes)という考え方が広く認識されています。多言語国家であるインドで使われている英語を歴史、教育政策、言語的特徴の側面から講義いただくとともに、ご自身がインド滞在中に出会った国際語である英語を用いたコミュニケーションの事例をご紹介頂きました。聴講した皆さんには、五十嵐先生の「国際語の英語でかかわっていく」「国際語でゆるくつながっていこう」ということばが強く心に残ったようです。質疑応答時間にはゲストとして参加くださったインド出身のChhayankdhar Singh Rathore先生(甲南女子大学)からも、インド事情やご自身の言語使用について貴重なお話を聞くことができました。先生方ありがとうございました。
(草薙 優加記)
今回、五十嵐先生のお話の中で、「英語が共通語だからこそコミュニケーションがとれて幸せ」ということばが印象に残りました。日本では文法や語彙など知識を重視した英語学習が存在します。実際に英語でコミュニケーションをとるときに、テストなどで求められる完璧な英語が存在しており、英語に対する壁を感じてしまうことがあります。このような正確な英語を求める傾向には、日本人の誠実さや真面目さが表れていて良い面もあります。一方、異なる言語の母語話者が多いインドでは、いわゆる「不完全なことば」でやりとりをすることが多々ありますが、話者同士が相手の意図を推し量り、譲り合いながらコミュニケーションを行っているという事実を知りました。各自が母語の影響を受けた多様な英語で話していてもコミュニケーションができる・わかりあえることこそが、最も重要だと気づきました。
五十嵐先生がインドで得た、「コミュニケーションがとれて幸せ」という捉え方は、国際語として多様化する英語を使用する私たち日本人にとって必要な考え方だと思います。私は英語母語の先生方と会話をするときに文法や語彙の選択に時間をかけてしまい、「もっと勉強すればよかった、なぜ、あの時あの単語を選んだのだろうか」と悔やむことがあります。これからは、英語でのコミュニケーションをより楽しみ、「私は英語で会話ができる」という幸せを意識したいと思います。
さらに、今回の講義では五十嵐先生の決断力や挑戦心に魅力を感じました。日本文化、アメリカ文化に慣れていた五十嵐先生にとって未知の世界であるインドに移住することは難しかったと思いますが、移住前に現地を下見し、移住後も慣れない地で様々な活動に参加し現地の方々と交流なさったそうです。私もそのような行動力を見習いたいと思いました。私はこれから留学をする予定です。今まで経験したことがないこと、躊躇するようなことがあると思います。新しいことに出会った時に最初から諦めず、五十嵐先生のように「やってみよう」という前向きな気持ちで挑戦します。
英語英米文学科2年生 佐藤 凪紗