「異文化ワークショップ」byオーハシヨースケ氏 報告記
学生さんが私の異文化ワークショップ(内村鑑三著:英文の『代表的日本人』第3章「二宮尊徳」をテーマ)に多様な切り口のフィードバックをしてくれたことに驚いています。ある学生は二宮尊徳の偉業に感心し、ある学生はワークショップの中での「自己を振り返る身体ワーク=EMBODIMENT」に関心を示し、またある学生はワークショップという他人との身体的関りを含む学習方法を面白がりと、私の異文化ワークショップは、その構造のなかにコンテンツ、スタイル、コアといった多様な要素を含んでいるのだと思います。ワークショップ最中は不慣れな状況に少し面食らった様子でもありましたがこうやってフィードバックを読むと、人それぞれ多様な受け止め方をしてくれており、大変嬉しく思っています。外から異文化を見る眼で、日本文化を再認識し自己や自文化への「気づき」と「学び」を深める一助となればと意図しました。この場を提供していただいた草薙優加先生と鶴見大学に心から御礼を申し上げます。またぜひ、次のテーマ(コンテンツ)のアプライドドラマ(応用演劇)で学生さんに出会えましたら、この上ない幸いです。
私はオーハシさんの異文化ワークショップに参加したことで、異文化理解を深めるだけでなく、コミュニケーション能力を高めることができました。本ワークショップで、自分を含む日本人の特徴である内気な性格と英語圏の人々の特徴である外交的な性格の違いを考えることで、その背景にある文化の違いや授業で学んだ価値観、ステレオタイプ、カルチャーショック等との関連性も考えながら受講することができ、異文化理解を深めることができました。
今回は、通常の講義を受けるときの環境と異なり、机をなくし椅子のみを集めて講義を聞くことで、オーハシさんや級友との距離が縮まり、コミュニケーションにおける環境の影響を考えるきっかけになりました。オーハシさんが体全体を使って説明してくださったり、自分が実際に動いたりしたことでより、ワークショップでの問いを受け取りやすい講義になりました。
このワークショップで取り上げた二宮尊徳からは、私利私欲に走らず社会に貢献することで、自分の行いがいずれは自身にも還元されることを学びました。 二宮尊徳やオーハシさんの考え方と生き方から学ぶことは多く、自分自身の考え方の幅を広げることができました。今後の生活に活かしたいと思います。
今回、オーハシヨースケさんのワークショップに参加して、身体を使って自分を表現することの楽しさを感じることができました。オーハシさんのワークショップでは、講議式の授業のように机に向かって座るのではなく、椅子を円形に並べてお互いの顔が見えるように座りました。また、座って話を聞くだけでなく、実際に立って動いたり、ペアになって話し合う活動を行いました。
最初はペアになって、「自分が最近感じた楽しかったことや嬉しかったこと」を交互に言い、次に、自分の性格はどういうタイプなのかを考えて、似たような性格の人を探し出しました。このエクササイズを行ったことで、自分の性格の良いところと、改善すべきことを認識することで自分を変えられることを知りました。私は、自分から人に話しかけたり、表現することが苦手なので、初めは小さい声しか出せなかったり、動きも小さくなりがちでしたが、エクササイズ中、話しているうちに自分から話しかけられるようになったり、自然と動けるようになっていきました。このエクササイズを通して、楽しくポジティブな発言をすると、自然と笑顔になれることを実感することができました。普段、ネガティブな気持ちになることもあるでしょうが、見方を変えて人や物事の良いところを見つけることで前向きな気持ちになれると感じました。
私は普段、人の意見や話を聞くことが多いのですが、自信をもってそれを長所としたいと思います。一方で、自分のことを言葉と身体を使って積極的に表現することが、今後私が伸ばしてゆくべき点だと発見しました。今回、自分を見つめなおし多くのことを学ぶことができ、充実した時間となりました。 ありがとうございました。
参考図書
内村鑑三(著)稲盛和夫(監訳)(2002)『(対訳)代表的日本人 Representative Men of Japan』講談社
オーハシヨースケ (2018)『二宮尊徳に学ぶ天命の見つけ方』到知出版社
※ 本ワークショップは、科研費 基盤研究 (c )「多文化共生を促す英語ドラマ・ワークショップ手法の確立と普及」20K02798(研究代表者 塩沢泰子、研究分担者 草薙優加 齋藤安以子)の助成を受けています。