<『星の王子さま』という日本語タイトルは良いのか悪いのか?>という疑問から始めて、答えは「悪いタイトルだ」、なぜなら「ちいさな君主」を意味する原題にある愛と主体性のメッセージ(誰もが自分の現実・環境にたいしてささやかながら君主であるべきだ)と正反対のイメージを与えてしまうから・・・と話を展開して、結論はどうなったかというと、正解のない、複雑で絶えず変動する現実の中で、あくまで心ある人間として、何ができるか、何をすべきかを迷いつつ柔軟に粘り強く考えることの大事さを伝えるのが、この作品を含めて、あらゆる古典的文学作品であり、それを丁寧に読んで理解を深めるのが文学部なんです、というのが結論でした。
40分2回の授業で、33名の生徒が参加してくれましたが、メモもとりながら、ときおり肯いたりもして、しっかり聞いてくれました。感謝です。
この高校がある緑園都市というまちは、その名の通り、緑が深く豊かな土地でした。その恵まれた環境が、この高校の生徒たちに、少し小難しいことにも耳を傾けるだけの心のゆとりを与えているのかな、とも思いました。
*上の加川先生の報告の通り、鶴見大学文学部では様々な出張授業を提供しております。詳しくはこちらのページをご覧ください。(新しいページが開きます。)